「過払金」とは、貸金業者から返してもらえるお金のことです。
 

　借金につく利息は、法律で上限利率（最高20%）が決められており、これを超える利率（29%など）は超えた部分（9%）について無効になります。

しかし、無効なことを知らずに請求どおり返済していたのが普通ですので、その部分は、どうなってしまったのでしょうか。
 

無効なものは無効ですので返金してもらえるハズ・・・。
 

そうなんです。返してもらえるのです。
 

しかし、直ちに返金してもらえるわけではなく、元金が残っていた期間中は自動的にそれに充当されたのです（それはそうですよね）。

充当される分、業者の計算よりも実際は元金の減りが早くなるわけです。

そしてある時点から当然に元金がなくなりますが、その後の返済金はすべて払いすぎであり、業者に「過払金」として全額積立てているような計算になります。
 

この、払いすぎた利息分の積立金を　「過払金」　といいます。
 

過払金は、

任意整理・自己破産・個人再生のどの手続きを選択しても発生している可能性があります。
 

・・・この「過払金」は、本来全額返還してもらうのが大原則なのですが、全国で過払金の返還請求が起きており、肝心の貸金業者の資金的ゆとりがなくなってきています。
過払金の減額や、できるだけ過払金の返還を先延ばしにしてこようと交渉してくる業者もあちこちで散見します。

当事務所は、業者から取り寄せた取引履歴に基づいて再計算した結果、

過払金が判明した場合は、

速やかに返還請求することはもちろん、交渉の段階で返還金額の8割を下った場合、

お客様のご都合やご要望をこと細かにお伺いしたうえで、過払金返還の訴訟を行います。

　元金の減少と過払金について、下記のとおり事例でご紹介いたします。

（分かりやすくするために事例を単純化しております）
 

仮に、

1／1に　30万円を29%で、毎月2万円返済するとして借りたとする。
 

①2／1の返済日に2万円返済したとすると、その内訳は・・・

業者の計算→１ヶ月分の利息7,250円（30万円×29%÷12ヶ月）、元金分12,750円にそれぞれ充当され、残元金は287,250円となりました。
 

しかし、

法定金利にて計算→利息分4,500円（30万円×18%（※）÷12）、元金分15,500円にそれぞれ充当されなければならなかったので、残元金は284,500円となりました。
 

つまり、

業者の計算だと払いすぎの利息分となる2,750円（7,250円−4,500円）は元金に充当されその分元金が減ったのです。

②3／1の返済日に2万円返済したとすると、その内訳は・・・

業者の計算→１ヶ月分の利息6,941円（287,250円×29%÷12ヶ月）、元金分13,059円にそれぞれ充当され、残元金は274,191円となりました。
 

しかし、

法定金利にて計算→利息分4,267円（284,500円×18%（※）÷12）、元金分15,733円にそれぞれ充当されなければならなかったので、残元金は268,767円となりました。
 

つまり、

業者の計算だと払いすぎの利息分となる2,674円（6,941円−4,267円）は元金に充当されその分元金が減ったのです。

このように、一回目の支払分から、元金への充当が始まり、業者の計算よりもはるかに早く元金が減っていくのです。

そしてある時点で元金がゼロになる　（取引期間が10年くらいあると、過去のある時点でゼロになる）　と、

その後は過払金として返済全額が積立預金のように業者の内部に積み上がっていく計算になるのです。