A.亡くなった方の預貯金は、原則として法定相続人全員の同意がないと引き出せません。遺言書があっても、名義変更や解約の正式な手続きなしでは引き出せないというのが金融機関の一般的なルールです。

 もっとも、葬儀費用や医療費の未払い分など緊急性の高いものは、一部例外的に、相続人の一人からの請求でも、領収証など一定の書類を添えれば、必要最小限において引き出せる場合もあります。葬儀費用等は、本人が亡くなる前にあらかじめ引き出しておくか、別途、生命保険などで準備しておくことがよいでしょう。

A.金融機関によって異なりますが、預金通帳、依頼書(金融機関所定)、亡くなった方の除籍謄本等(出生から死亡までのすべてのもの)、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書等のほか、遺言書または遺産分割協議書が必要になります。

取引金融機関は、5〜6行になるケースも少なくありませんし、金融機関ごとに必要書類が微妙に違ったり、提出書類を返してくれたりくれなかったりと、対応もまちまちですので、戸籍謄本等を取り寄せる際は1通だけでなく多めに取り寄せておくとよいでしょう。

また、事前に金融機関に必要な書類や手続きの流れも忘れずに確認しておきましょう。

A.上場株式の相続手続きは、預貯金などと同じように複雑です。名義書換請求書、戸籍謄本等、印鑑証明書、遺言書または遺産分割協議書などが必要になる。取引証券会社等に事前に必要な書類や手続きの内容を確認してみることが必要ですが、株券電子化後に株券を現物で持っている場合は、発行会社や信託銀行などの名義書換代理人での手続きも必要になります。

株式も、取引先の証券会社を分散させれば、相続が大変になりますので、金利が多少高かったり、手数料が多少安かったりしても、相続時に戸籍謄本を多めに取れば、その費用で相殺されてしまいます。

預貯金、株式などの取引金融機関が分散している場合は、集約化したり早めの現金化を図ることも大切になってきます。

また、遺言書を作っておけば、それが財産目録の代わりとして、相続手続きの省力化になります。

A.遺言書を書いた時点で、きちんとした意思能力があったのであれば、その後に認知症になってもその遺言書は有効です。遺言書は、あくまでも最終的な意思が「書いたとき」にきちんと反映されていればいいからです。

しかし、認知症になった後は遺言書を作ることは難しくなりますので、書いた後に相続人の数や財産の内容が変わっていたとしても、書き換えることは事実上できなくなります。

したがって、遺言書は将来の状況変化にできるだけ対応できるように作成する必要があります。

A.複数いる子供の一人が、親から多額の生前贈与を受け取っていた場合、相続時にいったんそれを相続財産に戻して考えます。これを特別受益といいます。

例えば、相続人が長男・次男で、長男の特別受益が1,000万円、相続財産が2,000万円の場合、相続財産+特別受益の計3,000万円を二分し、長男は特別受益を引いた500万円、二男は1,500万円を受け取ることになります。

ただ、相続人へのすべての生前贈与を調べることは難しく、長男は自宅建築資金をもらったが、二男は結婚資金を援助してもらったとか、海外留学費用を出してもらったとか、言い出したら切りがありません。

生前贈与の内容把握している親が、遺言書で特別受益も考慮して、財産配分を指定しておくことが争いを防ぐ一番良い方法です。

A.亡くなった人に対し、介護を含めた重大な貢献をした法定相続人は、その分多くもらえるのが原則です。これを寄与分といいます。

ただ、寄与分が認められるのは法定相続人に限られますので、長男の嫁が義父母をいくら介護しても寄与分は生じません。また、法定相続人であっても、普通はこれぐらいする、という程度だと寄与分は認められにくい傾向にあります。

通常だとヘルパーなど第三者を雇わなければならないような介護を引き受け、親の財産を減らさずに済んだら、その分多くもらってもよいのではないか、というのが寄与分の考え方だからです。

また、そうした寄与分を金額で算出するのは難しく、法定相続人全員が合意するか、合意できないなら家庭裁判所に決めてもらうしかありません。親の死を悲しんでいる中でそうした話し合いをするのは愉快ではないし、そういったギブアンドテイクの考え方は相続とか介護においてはなじみません。

 このようなことも、親が、遺言書で自分への介護の可能性も考えて相続財産配分を指定しておけば、亡くなったあとに相続人同士が争うことを防ぐことができたかもしれません。

A.墓を継ぐということは、一つは墓の世話をしていくということ(負担)であり、もう一つは墓を誰がもらうかという財産のこと(権利)でもあります。これは祭祀の承継と呼ばれ、墓をはじめ、仏壇や位牌などの「祭祀財産」は相続の対象とはならず、祭祀を主宰すべき人が承継することになっています。この承継者は、遺言で特に指定がなければ慣習に従って決まりますので、長男が引き継ぐケースが多くなります。

しかし、この祭祀の承継は相続とは切り離されており、承継したことによる負担が、引き継いだ財産に見合うかどうかは難しい問題といえます。

墓を継いだ人は、法要などでお寺に支払う費用や田舎に帰る交通費、親せきとの付き合いなど負担感の方が多くなりがちです。

この場合もやはり、親が遺言書で、祭祀の承継も念頭に財産配分を指定するのが、残された相続人を納得させる一番良い方であるのではないでしょうか。

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